人生の半ばで人生を考える
前回(8月8日)の投稿では、「アートの神様が降臨!?」とのテーマで、私がアート(お絵描き)に傾倒していく経緯について書かせていただきました。
当時37歳の私は、自治体のセミナー参加から派生した市民サークルでの「井戸端会議のようなコミュニケーション」を、自分の住む地域でもやってみたいとの思いがありました。
「何とかしなくてはと焦った私は、まず子供たちを手なづけようと考えました。何か効果的な手段はないかと思案したあげくの果てに選択したのが、何故か家の前で絵を描くことでした」
・・・こんな話でしたね。
さて、今回はその当時の私に大きな影響を及ぼした出会いについて書いてみます。
■ 転機と節目の間
話が前後しますが、私は28歳で経験した会社での人事異動(営業から人事へ)をきっかけに、30代から職場や家庭以外の居場所(サードプレイス)を求めて視野と行動の範囲を広げていきました。
その結果、60歳の今も続けている「絵を描いて表現する」との趣味を37歳で持つに至りました。
後から振り返ってみると、私は20代後半から30代で様々なことを考えて行動していました。その結果、市民サークルや趣味以外に、新たな方向へと人生の舵を切るような思想や哲学に出会ったりもしています。
ある意味、私にとっては37歳が人生の節目へと向かう転換期だったのかもしれません。
その時期、会社では「人事・教育・採用」と「広報・広告」の仕事を5~6年間隔で循環するように部内異動をしていました。
結局、仕事では29歳から定年まで、同様の部内異動の循環を繰り返し、通算で人事系を20年、広報系を10年ほど経験させていただきました。
何だか、転機と節目との間で変化の渦に揉まれていたような感じでした。
■ 「書く」ことに向き合った日々
人事系と広報系、それぞれの職種の仕事内容は大きく異なります。
一方で、いずれの仕事もコミュニケーションの質と量のあり方が大切との共通点がありました。それは初任配属から約6年経験した営業職も同様でしたが、人事系や広報系の仕事と比べ、特に質が違っていました。
人事系と広報系の仕事では、コミュニケーションの主体は「書いて広く発信する」ということがベースになっていました。そのため、この期間は様々な「書く」という仕事に従事させていただきました。
仕事以外でも公に向けて「書く」という機会に恵まれ、ある同人誌(1999年4月号)に寄稿させていただいたこともありました。市民サークルの参加者から熱心に勧められたのがきっかけでした。
「書く」ことは仕事でも経験していましたし、何だがその時は好奇心もあり、試しに書いてみることにしました。(不遜な表現、ごめんなさい)
で、何を書いたか?
これが、また、若気の至りというか、妄想癖というか、今から振り返ると恥ずかしいのですが、割と真面目に思想的なことを書いたのです。『あー、恥ずかしい・・・(心の声)』。
でも、勇気を持って、あえて自分の恥を晒します。『いや~、やめてー(心の叫び)』。
■ 林住期に憧れて
私が選択した寄稿のテーマは「ボク37歳」。
寄稿文の論旨は、「37歳の私は、一刻も早く林住期のような環境に身を置きたい」というものでした。
「林住期(りんじゅうき)」?・・・。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「何じゃ、そりゃ?(何、それ?)」とつぶやいた方もおられると思いますので、解説させていただきますね。
当時は、休日には図書館に行っては貸出上限数分の本を借りるということが、半ば習慣になっていました。
そこで、ある本を読んでいて出会ったのが「林住期」という言葉でした。
その本によると、古代インドでは人生を四つの時期に分けて考えており、それを「四住期(しじゅうき)」と言ったそうです。
それは、「学生期(がくしょうき)」、「家住期(かじゅうき)」、そして、「林住期」と「遊行期(ゆぎょうき)」のことで、概要は以下の通りです。
学生期(0歳~成人):この世に生まれて勉強をする期間。
家住期(成人~40代半ば):仕事、家庭、子育ての期間。
林住期(40代半ば~60代半ば):ひとり静かに自分の人生を考える期間。
遊行期(60代半ば~):余生として教えを伝えまわり、死の準備をする期間。
私が憧れた「林住期」とは、現代に置き換えると、会社務めを終えたあと、自分の人生を考え、新たな道を歩む時期のこと。つまり、「第三期の人生」であり、ゴールデンタイム」のことを指しているのです。
■ いま「林住期」を生きる
私は、30代半ばにこの人生哲学(思想)に出会い、「林住期」を生きることを夢想していました。
後になって、幻冬社から五木寛之氏の著書「林住期」(2007年2月)が発行された時は、すぐに購入して精読しました。(同書は2008年9月に文庫化されました)
当時は30代の私が、「林住期」を生きることは妄想にすぎませんでした。当然ですが、現在と同時に未来を生きることはできないからです。
それでもなお、「林住期」への憧れは強くなるばかりなので、このように考えることにしました。
「その最中でなくても、現在の仕事・家庭・地域・社会という四軸において、少しでも良いから林住期のような時間をつくれば良い・・・」。そして、「日々、自分との小さな約束を守り、自分が本心から愉しいと感じることに忠実に行動し続けよう」。
勇気を持って行動することで、徐々に自分の考えや行動に意味と喜びを感じるようになっていきました。
こんな出会いがありましたとさ・・・。
はい、解っています。今回も話が長くなりそうですね。
それでは、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
次回のテーマは未定です。Art、Career、Recruit、その他のいずれかの話題をお届けしたいと思います。・・・たぶん。
それでは、また。
ごきげんさんで。